Q11.定期預金の税金について、教えてください。

大金ではありませんが、いくつか定期預金をしています。
先日、定期預金の1つが満期になったので、念のため、普通預金口座で金額を確認したところ、提示されていた金利ほど、利息が付いていないことが分かりました。

これはどういうことかと思ったのですが、ある人が言うには、「税金を引かれたのではないか」、とのことです。

定期預金でも税金がかかるというのは初耳なのですが、そのようなことはあるのですか?
それに、もしそうだとしたら、銀行の側でもちゃんと表示しておいてほしいと思うのですが…。

A.定期預金の利息には、税金がかかります。

どのような税金がかかっているのかなどについて、以下にご説明します。また、2013年1月1日からは、税金で引かれる率が変わりますので、その件につきましても、ご説明させていただきます。

まず、定期預金の利息にかかる税金の種類についてです。
法律的には、定期預金の利息は、所得に該当します。したがいまして、定期預金の利息には、所得税がかかります。

次に、どのくらい引かれるのかということですが、2012年12月31日以前と、2013年1月1日以降では、変わってきます。

まずは、2012年12月31日までの、従来の場合についてです。
この場合ですと、[国税として15%+地方税として5%=20%]が、引かれます。

たとえば、利息が1万円付いたとしますと、1万円の20%に当たる2000円が利息から引かれるため、実際に手に入る利息の額は、[10000円-2000円=8000円]となります。

ちなみに、形式としては源泉分離課税となります。ですので、所得税分を源泉徴収されたら、そこで納税に関しては、終わりです。

以上は2012年12月31日までの場合で、2013年1月1日からは、引かれる率が、以下のように変わります。

まず、なぜ引かれる率が変わるのかということですが、これは、2011年11月30日に成立した、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法によるものです。

この特別措置法に基づきまして、2013年1月1日からは、「復興特別所得税」の課税が始まります。これは、所得税全体を対象としたもので、「2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間、所得税額に対して2.1%を課す」、というものです。

この復興特別所得税は、定期預金の利息にもかかりますので、その結果、引かれる率が変わってくるということです。

では、具体的にどうなるのか、ということですが、以下のようになっています。

復興特別所得税は国税分にかかりますので、国税分は15%ではなく、
[15%×102.1%=15.315%]
となります。地方税分は5%で変わりありません。

したがいまして、2013年1月1日からは、
[国税分15.315%+地方税分5%=20.315%]

が利息から引かれる、ということになってきます。

少し懐には痛いのですが、復興のためと思ってあきらめましょう。

ちなみに、定期預金の税金に関する銀行側の表示についてですが、一般的には、金利表の下などに、<税引前>と表示してあるはずです。

また、銀行によっては、税引前と税引後の利率をそれぞれ、表示してある場合もあります。小さい字で表示してある場合が多いので見落としやすいのですが、しっかり確認しておきましょう。